衣服の中には水を使って洗濯できないものがあります。水で洗えない衣服は「ドライクリーニング」できれいにするのがオススメです。ドライクリーニングすべき衣服の見分け方や自宅でのホームドライ方法など、ドライクリーニングの基本情報を今回は紹介します。
ドライクリーニングとは?

ドライクリーニングとは、工業ガソリンなどの油を原料にした有機溶剤を使用し、水を使わずに衣服を洗浄する方法です。水を使わないので衣服へのダメージを抑えて洗濯できます。水を使って洗浄すると縮んだり型崩れをおこしたりしかねないデリケートな衣服の洗濯にドライクリーニングは最適です。
今から200年近く前、1830年ころのフランスでドライクリーニングは発明されたといわれています。現在では世界各地で利用されている洗濯方法であり、日本でもドライクリーニングを利用したクリーニング企業がいくつも存在します。
ドライクリーニングのメリットとデメリット
ドライクリーニングのメリットやデメリットとして以下のような点が挙げられます。
■ドライクリーニングのメリット
ドライクリーニングには衣服の型崩れや縮みを防いで洗濯できるメリットがあります。たとえばカシミヤのカーディガンやウールのセーターなど動物性繊維を使った毛製品は、水洗いをすると縮んで型崩れをおこす可能性があるでしょう。ドライクリーニングは水を使用しないので、毛製品でも縮みや型崩れの心配を減らしながら洗濯が可能です。デリケートな素材のシャツやブラウスなども、シワが少なく美しい状態を保って洗えます。
また洗浄力が強く油汚れに強いメリットもあります。ドライクリーニングを利用すると、汚れの具合にもよりますが、ボールペンのインクや口紅などのしつこい油系の汚れも落とせる可能性があるのです。一般家庭の洗濯機では落とせなかった衣服の汚れも、高い洗浄力をもつドライクリーニングならきれいにできるかもしれません。
■ドライクリーニングのデメリット
ドライクリーニングの有機溶剤は油でできているので、コーヒーや醤油など水溶性の汚れにはあまり洗浄力を発揮できません。衣服に付いている汚れが油汚れなのか水溶性の汚れなのかを見極めて、ドライクリーニングを利用するのか判断しましょう。
またドライクリーニングの有機溶剤にはいくつかの種類があります。店舗によって使用する溶剤が異なるので、仕上がりに差が出る可能性もあるでしょう。
さらに環境汚染を防ぐため、ドライクリーニングの溶剤は法律的に排水が認められていません。そのためクリーニング店は、汚れを取り除いて何度も溶剤を使用しています。同じ溶剤を繰り返し使っているので、管理方法で店舗に品質の差が出る場合があります。ドライクリーニング後にもかかわらず汚れが残っていたり変な臭いがしたりする場合は、店舗の変更を検討してもいいかもしれません。
ドライクリーニングのマークをチェックしよう

国内で販売されている衣服には、どの種類のクリーニング処理が可能かや、お手入れの方法などを示す「洗濯表示マーク」が付いています。洗濯表示マークにはいくつか種類があるので、ドライクリーニングが可能であるかを示すマークについてもチェックしておきましょう。日本で売られている衣服であれば、内側に付いているタグに洗濯表示マークが書いてあるはずです。
■ドライクリーニングのマーク一覧

パークロロエチレンもしくは石油系溶剤によるドライクリーニングが可能な衣服に付いているマークです。

パークロロエチレンもしくは石油系溶剤による弱めのドライクリーニングが可能な衣服に付いているマークです。

石油系溶剤によるドライクリーニングが可能な衣服に付いているマークです。

石油系溶剤による弱めのドライクリーニングが可能な衣服に付いているマークです。

ドライクリーニングをしてはいけない衣服に付いているマークです。
ドライクリーニングと水洗いの見分け方
ドライクリーニングマークはあくまでもドライクリーニングが可能であると示すマークです。ドライクリーニングマークが付いているからといって、必ずしもドライクリーニングでしか洗えないわけではありません。ドライクリーニングマークが付いていても、以下のような「水洗い可能マーク」が付いていれば水を使っての洗濯もできます。
■水洗い可マーク一覧

洗濯機を使い、40℃以下の水温で洗濯可能な衣服に付いているマークです。
※温度マークは95~30℃まであります。

40℃以下の水温で、洗濯機を使って弱めの洗濯が可能な衣服に付いているマークです。
※温度マークは60~30℃まであります。

40℃以下の水温で、洗濯機を使って非常に弱めの洗濯が可能な衣服に付いているマークです。
※温度マークは40~30℃まであります。

40℃以下の水温であれば、手洗いが可能な衣服に付いているマークです。

家庭での洗濯は原則禁止な衣服に付いているマークです。
「水洗い不可」と「ドライクリーニングマーク」が両方示されていても、ポリエステル・ウール・レーヨン・アンゴラ・レース・麻などの素材は自宅で洗濯が可能な場合があると紹介しているWebページなどもあります。ただし後ほど紹介するとおり、“いつもの洗濯”と同じ要領で洗うと衣服の傷みにつながる可能性があるため、ドライクリーニングマークと水洗い不可マークがある(水洗い可能なマークがない)ものはクリーニング店でのドライクリーニングが基本と考えておいてもよいでしょう。
ドライクリーニングの服を自宅で洗う(ホームドライする)方法

すでに紹介したとおり、水洗いマークとドライクリーニングマークが両方ある衣服は、水を使えるので自宅で洗濯しても問題はありません。ただし通常の洗濯とは異なり、注意したい点もあります。ドライクリーニングマークのついている服を自宅で洗濯する方法をチェックしておきましょう。
準備する物
・洗濯ネット
・中性洗剤(おしゃれ着洗い用)
・(手洗いをする場合)洗面器やバケツ
ドライクリーニングマークが付いた衣服はデリケートなものが多いです。絡まって傷まないように洗濯ネットに入れましょう。中性洗剤は、スーパーやドラッグストアで売っている市販のもので構いません。手洗いの場合は衣服を洗える十分な大きさがあり、水を溜められる容器を用意しましょう。
注意点
■お湯を使わない
高温のお湯を使うと衣服が傷んだり色落ちしたりする可能性があります。衣服にもよりますが、30℃以下を目安に低温の水を使いましょう。
■脱水を手でやらない
脱水のときに手で絞るのは止めましょう。衣服が傷むのはもちろん、素材によっては繊維が縮んで固くなる場合があります。
■ほかの衣服と分ける
デリケートなものが多いドライクリーニングの服は、ほかの衣服とは分けて洗いましょう。一緒に洗濯すると素材が擦れて傷む原因となるかもしれません。
■干すときは型崩れに注意
型崩れに注意して丁寧に干しましょう。シワを伸ばして形を整えてから、平らな部分に置いて干す「平干し」をすると比較的きれいに干せます。
洗濯機で洗う場合の手順
(1)服を洗濯ネットに入れる
まずは衣服を洗濯ネットに入れ、型崩れや傷みを予防します。
(2)洗濯機で洗濯する
準備した中性洗剤を適量入れ、弱い水流のコースを設定して洗濯機を回します。
(3)陰干しする
洗濯が終わったらすぐに取り出しましょう。縮んだり傷んだりするのを防ぐため、陰干しで乾かしましょう。
手洗いする場合の手順
(1)洗濯液を作る
まずは準備したバケツや洗面器などの容器で洗濯液を作りましょう。パッケージに記載されてある配合で洗浄剤と水を混ぜると適切な濃度になります。
(2)押し洗いをする
こするのではなくやさしく「押し洗い」をしましょう。押し洗いとは衣服を上から押して・持ち上げてを繰り返す方法です。押し洗いを30回ほど行うと汚れが取れてくるでしょう。
(3)すすぐ
洗い終わったら新しい水ですすぎましょう。押し洗いと同様の方法ですすぎを行ってください。洗剤にもよりますが、2回はすすぎを行うとよいでしょう。
(4)洗濯機で脱水をする
すすぎ終わったら洗濯機で脱水します。衣服が傷まないように最も弱いコースで30秒ほど脱水を行いましょう。
(5)陰干しする
干し方は洗濯機で洗う場合と同じです。日の当たりにくい陰で平干しをしましょう。
ドライクリーニングの料金に差が出る理由

ドライクリーニングは店舗や依頼するコースによって値段に差があります。値段が変わる理由は、立地場所などの地域によるものやお店の品質管理によるものなどが指摘されています。ドライクリーニングの料金に差が出る理由を「地域による差」「利用者の都合によるもの」「お店側の都合によるもの」の3つに分けてチェックしていきましょう。
地域による差
ドライクリーニングの値段は店舗がある地域によって変わってきます。物件の賃貸料や物価が高い都市部であれば、ドライクリーニングの値段は高くなる傾向にあるでしょう。競合のクリーニング店が多い地域であれば、ドライクリーニングの値段は安いかもしれません。同じ地域に店舗が多いと、少しでも利用者を増やそうと価格競争が起きるからです。
利用者の都合による差
ドライクリーニングのコースや付け加えるオプションの数によっても料金に差が出ます。仕上がりが上質になるコース、汗・皮脂汚れをきれいに落とす汗抜きのオプション、花粉が付きにくくなる花粉ガード加工などを依頼すると値段は高くなるでしょう。
また依頼する洗濯物の種類によっても値段は変わってきます。洗いにくい装飾が付いているものやデリケートな素材で作られたものは、クリーニングの作業工程が増えるため、追加料金がかかる可能性があります。追加料金の有無に関してはクリーニング店によって異なるので、依頼予定の店舗に問い合わせてみましょう。
お店側の都合による差
すでに紹介したとおり、ドライクリーニングに使用される有機溶剤は一般的にろ過して繰り返し使われています。ろ過しても汚れが残るようになると新しい有機溶剤に変えるのが一般的ですが、明確な基準は定まっていません。ある程度汚れていてもそのまま使い続ける店もあれば、少しでも汚れてきたらすぐに新しくする店もあり、店による違いが出やすいのです。有機溶剤を変える頻度が高ければコストが増えるので、料金も高くなると考えられます。
また効率性によっても料金に差が出ます。1度に多くの衣服を詰め込んで洗えば価格は抑えられますが、適切なすき間が無く十分な洗浄ができていない可能性もあるでしょう。シミ抜きなどの手作業を丁寧に行うクリーニング店もあれば、手作業はほとんど行わないクリーニング店もあるかもしれません。前者は手間と時間がかかる分コストもかさみますが、後者はコストを削減しているので安く提供できるでしょう。
丁寧な接客を行えば効率が落ちる半面、衣服の状態を丁寧にチェックできます。効率を重視して接客を単純作業化すれば、仕上がりの確認は甘くなったとしても、スピーディで安価なクリーニングが可能です。以上のようなさまざまな理由によって各店ごとで料金が異なっていると考えられます。
ドライクリーニングをした大切な衣服をColorsで有効活用

ドライクリーニングやホームドライについての情報を今回はまとめました。何度か説明したとおり、ドライクリーニングマークがある衣服はデリケートです。長く着たい大切な衣服はできる限りクリーニングに出しましょう。
またドライクリーニングをしながら保管しつつもしばらく着ていない服は、服のシェアリングサービス「Colors」に貸し出してみてはいかがでしょうか。Colorsを使えばクローゼットの奥にしまっている服も有効活用できます。シェアリング方法などColorsの詳しい使い方は、下記の解説記事をご覧ください。
